いっしょに暮らす。

結婚というものは、もともと他人である二人の人間が一つ屋根の下で暮らすという、考えてみればなかなか不思議な制度である。個人的にもこのあたりの事情をもうちょっと考えてみたかったので、書店で見かけた「いっしょに暮らす。」を読んでみた。
 
この本によると、「無理矢理に二人で暮らす必要のなくなった」社会生活環境、「誰かの一緒に暮らすことが困難な人」の増加などが、最近の晩婚化・非婚率の上昇に関係しているとのこと。まあまとめてしまうと何とも面白みのない、簡単な感じだけど。
話は家庭内における「同居」だけでなく、学寮生活や地域における共同体の話、夏目漱石の作品における家族観まで広がっていって、なかなか面白かった。作中でページを割いて触れられていた「こころ」は近いうちに読んでみたい。