今さらの感もありますが

中日新聞より。

喫煙は病気 医学会が初の治療指針作る
 たばこを吸うのは「ニコチン依存症と関連疾患からなる喫煙病」で、患者(喫煙者)には「積極的禁煙治療を必要とする」−。日本循環器学会など九学会の合同研究班は、喫煙の習慣を病気とした「禁煙ガイドライン」を作った。一般医師向けの初の治療指針で「たばこを吸わない社会習慣の定着」を目標としている。
 これまでは喫煙者全般に対する喫煙対策の総論があった程度。今回は循環器や呼吸器、口腔などの各疾患別や、妊婦、未成年、手術前後など患者の年齢、状態などに応じた対策、治療法を盛り込んだ。
 具体的には、禁煙に効く行動療法として「喫煙者に近づかない」「吸いたい衝動が収まるまで秒数を数える」などを挙げた。禁煙の意思がある患者には、自分で禁煙計画を作らせ「節煙より早道」「開始直後はアルコールを控える」とカウンセリングを実施。意思のない場合は、呼気中の一酸化炭素濃度を測って教え動機付けに役立てるとした。
 薬物療法では、ガムやパッチを使うニコチン代替療法を推奨。離脱症状が軽く成功率を高め、禁煙による体重増加を遅らせる効果もある。一方で、治療中の喫煙はニコチンの過剰摂取につながるなど注意も必要。未成年には頭ごなしの言い方を避け、喫煙が病気であることを理解させる。女性では、しわ、口臭など美容に影響することを知らせるなど、患者に応じた指導を強調している。
 医師にも、日本の男性医師の喫煙率は20%強で、欧米の医師(男女)の5%前後に比べて高い、と自省を求めた。
 日本たばこ産業(JT)の調査によると、日本人の成人男性の喫煙率は一九六六年の84%をピークに年々減少し、現在では47%を切っている。だが米国の成人男性の喫煙率(24%程度)に比べれば、まだ高い。医療関係者の間には、先進国並みの25%程度にまで低下させることを目指して、強力な禁煙政策を取るべきだとの声が強い。
 成人女性の喫煙率は現在13%で、過去5年以上の間、目立った低下傾向はみられない。
 研究班長の藤原久義・岐阜大教授(循環器内科)は「たばこは一般的に趣味や非行の問題と誤解されており、対策が十分でなかった。自分の意思で喫煙をやめられるのは5〜10%程度。覚せい剤のように非常に依存性が強く肺がんや心筋こうそくなどの疾患にも結びつく。早期に積極的な専門治療が必要」と話している。
 指針は十一月以降、循環器学会などのウェブサイトに掲載される。
世の喫煙者の多くがなかなか煙草を止めることができない主たる理由は薬物依存であり、それゆえ離脱には専門的な治療が必要であることが多いわけですが、喫煙者たちはそのような自尊感情を低下させるような事実はなかなか認めたがりません。実際にこのような取り組みを広げていくためには、「何をすればよいのか」という具体的な行動レベルで指導を進めていく方が効果的だろうということなのでしょう。


…煙草大嫌いな私としては、つい「煙草を非合法薬物に指定してしまえば解決!」とか言いたくなってしまいますが。